私は、これまでのところ日本株中心で投資を行ってきましたが、今年(2018年)から米国株(ADR含む)にも投資を始めています。その理由としては、何と言っても「リスク分散」ということです。
日本における最近の社会保障関係の改正の動向を見る限り、まず、近い将来、年金支給開始年齢を引き上げること、年金等の社会保障費の負担が今後も増加すること、これらの可能性は高いという認識に基づいたリスク対応ということです。
かと言って、米国株にどんどんシフトしていくというわけでは決してなく、日本企業の中でも連続増配を意識しているグローバル企業も確実に増えてきていますので、日米こだわらず、投資していくというスタンスです。
敗者のゲーム
3年ほど前に購入した本で「敗者のゲーム」というインデックス投資の名著があります。「敗者のゲーム」(チャールズ・エリス著 日本経済新聞出版社)に、以下のような興味深い「質問と回答」が載っています。
投資するならどっち?
【質問】あなたが投資するなら、どちらにしますか?
【回答A】:大幅に値上がりし何年間も高値圏にある株式
【回答B】:大幅に値下がりし何年間も低位にとどまっている株式
「敗者のゲーム」の中では、長期的に正しい回答は「B」である、としています。
あなたが買う株の価格が低ければ低いほど、あなたの投資1000ドル当たりの株数は多くなり、それだけ配当金額も多くなる。こつこつとお金を貯め、今後とも株を買い続けていくとすれば、あなたにとって本当に有利なのは、奇妙なことではあるが株価が大きく値下がりし、低迷を続けることである。「敗者のゲーム 146頁」
「株式投資の未来」との共通点
これは、配当金に目を向けると、株価は低迷し続けることが長期的には有利になるということです。どこかで聞いたことのある話ですよね。配当再投資戦略の教科書ともいうべき、ジェレミー・シーゲル博士の「株式投資の未来」と全く同じことが「敗者のゲーム」でも著されています。
「敗者のゲーム」などを参考にしつつ、まずまずの配当利回り、できるだけ連続増配、株価は低迷気味 、という3つの条件から投資対象を探していき、投資したのが以下の5銘柄となります。
米国株投資状況
株数 | 配当利回り | 予想PER | |
---|---|---|---|
AT&T | 120 | 5.88% | 11.8 |
クラフトハインツ | 60 | 4.47% | 15.8 |
P&G | 30 | 3.50% | 18.8 |
アルトリアグループ | 35 | 5.15% | 15.4 |
ブリティッシュアメリカンタバコADR | 80 | 5.90% | - |
(2018年10月8日現在 SBI証券データ参照)
「敗者のゲーム」ではインデックスファンドの優位性を繰り返し説いており、個別株投資の危うさを感じる内容ですが、そのあたりは、自身の合理性に欠ける面は否めないものの、個人の選択の問題と思っており、しばらくは楽しみながら銘柄選択をし個別株投資をしていくつもりです。
最後に
米国株への投資額が2018年10月8日現在で170万円ほどではありますが、今後については、時間軸での分散を十分意識しながらも、大きく値下がりした局面ではスピーディーに追加投資をする予定です。
上表のとおり、保有米国株5銘柄中2銘柄がタバコ株です。日本株ポートフォリオの主力もタバコ株であるJTとなっています。今後も連続増配銘柄を中心に、銘柄分散も図りつつ、JTやアルトリアグループのナンピン買いについても慎重に行っていくつもりです。
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