【伊藤忠商事】
総合商社の伊藤忠商事に先月(2018年9月)、初めて投資しました。総合商社銘柄は以前、三菱商事、三井物産を保有していたことがあるのですが、今回、伊藤忠商事に中長期保有目的で投資を行いました。
投資理由 株主還元が凄い
伊藤忠商事IRに目を通していましたら、まず、株主還元の意識が明らかに高くなっていることが見て取れました。
IRの印象は、業績は好調のうえに、株主還元にも積極的になっていること。また、ホームページの作りは明らかに個人投資家を意識している内容だと思います。平成30年10月1日付で2018年度配当金を上方修正していました。
当初予想が74円、今回修正が83円です。2017年度実績が70円でしたので18%以上の増配となります。前期が55円から70円へ27%の増配です。この2年で配当金が約1.5倍となる計算です。
(伊藤忠商事IR)
伊藤忠商事岡藤CEOのメッセージの中にも、2018年度配当については、83円を「下限保証」するとしています。業績に関して非常に自信がある表れだと思います。
岡藤CEOのメッセージとして、健康経営・働き方改革の先進企業として新しい商社像を作っていく、というのがあります。
2014年には、同社は朝型勤務制度を導入しており、早い時間の退社、社員の健康配慮、業務の効率化、コスト削減につながっているという話を知っていましたので、今回の働き方改革についても先導的な変化を起こしてくれるものと、個人的には期待しているところです。
業績の拡大に並行して、財務体質の強化にも取り組んでおり、2017年度NET DERは過去最低の0.87倍となっており、財務面での安定感もあります。
自己資本比率 | 時価総額(億円) | ROE | 予想PER | 予想配当利回り | |
---|---|---|---|---|---|
三菱商事 | 33.60% | 50087 | 10.90% | 8.96% | 3.18% |
伊藤忠商事 | 30.60% | 32326 | 15.80% | 7.04% | 3.65% |
三井物産 | 35.60% | 31850 | 10.90% | 8.48% | 3.34% |
(2018年10月6日SBI証券データに基づき作成)
三菱商事・三井物産と比較しても、投資対象としては頭一つ抜けている感じだと思います。上表の3社の中で、ROE1位、PERは1位(低い)、配当利回り1位、時価総額でも2位となっています。
東京海上ホールディングス
東京海上ホールディングスについては以前から保有しているのですが、ここにきて自然災害が多発しており、株価に大きな変動がないかを時おりチェックしています。
今のところ大きな値動きがなく、退屈しているところではありますが、大きく値下がりしたところでは狙っていきたいと考えている銘柄の一つです。
国内事業は今後は苦戦か
東京海上ホールディングスの業績は堅調ですが、同社を取り巻く事業環境は簡単なものではなく、自然災害の大規模化、社会構造の変化(少子高齢化・人口減少)など、対応すべき課題は多岐にわたります。
長期的には国内自動車保険市場などは縮小しそうですし、国内事業は苦戦を強いられる可能性があると考えています。
海外事業をさらに拡大
東京海上ホールディングスは、以前から積極的に海外M&Aを進めており、海外事業の売上・利益は、全体の40%を超えているとのことです。事業ポートフォリオを分散し、リスクコントロールを図っています。
今のところ海外事業については概ね計画どおりという永野CEOのコメントも動画で確認しました。海外事業についてはリスクが付き物ですが、国内事業が縮小していくことは間違いありませんので、おそらく今後も積極的にM&Aを進めていくのでしょう。
連続増配中
配当金については下グラフのとおり連続して増配しています。力強い右肩上がりです。
(東京海上ホールディングスIRより)
最後に
伊藤忠商事も東京海上ホールディングスも配当金を増やし続けてくれれば、投資対象として魅力的な2社です。
米国株の連続増配も凄いですが、日本企業の中でも株主還元に積極的になっている企業は確実に増えている感じがします。