億万長者と聞いて皆さんは誰をイメージしますか?
私はビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏、孫正義氏、最近では、スタートトゥデイの前澤社長なんかを思い浮かべます。
実は、アメリカの富裕層の実態を調査した方たちがみえます。それが、アメリカ富裕層研究の第一人者と言われるスタンリー博士とダンコ博士です。
1万人以上の億万長者にインタビューとアンケートをして徹底的に調査し、その調査から「7つの法則」を導き出しており、その本が日本でも出版されています。それが、「となりの億万長者」(早川書房)です。
その調査から導き出されたお金持ちの真の姿は、資産額に比べてはるかにつましい生活をしている、ありふれた職業と家庭をもつ普通の人々だっだというのです。実に驚きです。
私たちが持つお金持ちのイメージは、高級車を何台も所有し、高級住宅に住み、お金を湯水のごとく使う、そして挙句の果てには月まで行こうとする、そんな印象ですが、億万長者の平均像はそうではなかったということを本書では強調しています。
7つの法則
となりの億万長者の「7つの法則」とは、ごくごくシンプルであり、以下の7つが紹介されています。
①収入以上の生活をしない。
②資産形成のために時間を使う。
③世間体を気にしない。
④親からの援助に頼らない。
⑤経済的に自立するよう、子どもたちを育てる。
⑥上手にビジネスチャンスをつかむ。
⑦時代にマッチした職業に就く。
収入以上の生活をしない
7つの法則のうち、①の「収入以上の生活をしない」ことが、まず資産を形成するためのスタートラインだと強く納得しました。なぜなら、勤倹貯蓄と投資により莫大な財産を築いた本多静六氏もその著書「私の財産告白」で繰り返し説いているからです。(本多静六氏は生活安定のために勤倹貯蓄と、収入の4分の1を貯金に回す、本多式貯金法を提唱しています。)
資産形成のために時間を使う
収入以上の生活をせずに、貯蓄をし、資産形成のために投資をする。億万長者は、資産形成のために時間を使っているというのです。さらに、億万長者は、資産計画を早い時期から立て、じっくりと運用する、というのです。
これらは、株式投資に限らず、投資全般ではありますが、お金持ちだから長期でじっくり運用するのではなく、長期で運用するからお金持ちになれたということだと私は理解しています。
世間体を気にしない
世間体を気にして、高い車に乗る。世間体を気にして、高いマンション(住宅)に住む。そんなことを億万長者はしないそうです。(一代で億万長者になった人々が買った一番高い車は27,000ドルという調査結果が出ています。)
彼らは、お金の心配をしないですむことのほうが、世間体を取り繕うよりもずっと大切だと考える。(となりの億万長者153頁)
我が家の、10年を超えた軽自動車の買い換えを見送った理由は、この一文に凝縮されています。
最後に
お金持ちほど投資に時間をかけ、資産計画に多くの時間を割いている。資産額と資産計画にかける時間は正比例している、という調査結果を本書で知り、投資は思いつきや直感ではなく、計画的に行うことがやはり重要だということがよくわかりました。
誰かが、買っている銘柄だからとか、あのブログで紹介されていたから、という理由だけで計画性なしに飛びつくのは危険です。
私の場合、何年か前までは、運用成績が抜群のスーパー投資家のポートフォリオを真似して銘柄選びをしていましたが、現在は、参考にはさせてもらいますが、その銘柄が、自分の投資基準に合っているかを吟味してから投資するようにしています。投資はどこまでも自己管理・自己責任の世界ですから。