配当父さんです。
【配当再投資と「株式投資の未来」】
配当再投資についての優位性は、ジェレミー・シーゲル博士がその著書「株式投資の未来」で解き明かしています。
短期での売買は相場を読むことを意味しており、うまくいくときもあれば、大きく損することもあります。要は、相場を予測できるのであれば誰でも簡単に億万長者になれるのです。
しかし、プロのアナリストや経済評論家が株価予想しても、大概当たらないのが現実です。株価が上がるか下がるかを判断するのは短期では非常に難しく、運の要素が多分にあると思います。株価を追いかけるのではなく、配当金に着目することが、遠回りですが、着実に資産を増やすことができる方法と言えそうです。
「株式投資の未来」で配当・配当再投資の重要性について言及している箇所をピックアップしてみました。
①長期投資家の立場からみて、リターンの最大の源泉となるのは、配当だ。
②投資家リターンの基本原則は、株式が配当を生むとき、効果が増幅する。(48頁)
③配当は大いに物を言う。長期的に高い運用成績を達成した銘柄は、たいていの場合、配当を再投資したことがその最大の理由となっている。高配当銘柄は「成長機会」に乏しいと説く向きもあるが、事実はその逆だ。(14頁)
④配当再投資は、下落局面でプロテクターとなり、株価がいったん上昇に転じれば、「リターンの加速装置(アクセル)」となる。(162頁)
⑤株式のリターンを長期的に調べれば、現金配当がいかに大切かよくわかる。配当は下落局面で投資家を保護するだけでなく、相場がいったん回復に向かえば、リターンを力強く押し上げる。(175頁)
以上のように、シーゲル博士は繰り返し繰り返し、その著書「株式投資の未来」で配当再投資の重要性を説いているのです。
【では、どのセクターに投資をすれば良いのか?】
・これまで最高の運用成績を示してきたのは、生活必需品と医薬品のセクターで、強力なブランドを築き上げてきた企業だった。(53頁)
・長期的な勝ち組として3つのセクターが浮上した。ヘルスケア、生活必需品、エネルギーだ。(73頁)
シーゲル博士は、その著書「株式投資の未来」で上記のとおり、「生活必需品」、「ヘルスケア」、「エネルギー」セクターが高い運用成績を残してきたとしています。
【配当再投資戦略は日本市場でも通用するか?】
配当再投資戦略は日本市場でも通用するのか?を考えるにあたり、「株式投資の未来」の中に参考になる部分があります。
人口動態から予想される危機(15頁)
過去50年のデータからあきらかになったこうした傾向は、向こう50年にも通用するだろうか?米国、欧州、日本がいま直面している高齢化の波が、暗い将来をもたらすなら、答えはノーだろう。
15頁では、向こう50年には通用しない、としています。
しかし、16頁では、米国の将来は人口動態に左右されるとの見方に賛成するとしながら、悲観論には強く反対している、としています。
先進国が抱えている大きな2つの問題について
①わたしたちが必要とするモノを、だれが生産するのか?
②わたしたちが保有している資産を、誰が買うのか?
この2つの問題については、「途上国世界の労働者がモノを生産し、途上国世界の投資家が資産を買う」ことで解決する。これを世界的解決(グローバル・ソリューション)とシーゲル博士は呼んでいます。
【まとめ】
シーゲル博士は、米国については、人口動態から予想される危機についての悲観論には否定的です。日本の人口動態の変化は世界的にも初めてのことであり、悲観論一色となっています。超少子高齢化は国家にとっては明らかにマイナスとなる面が多いのは確かです。
シーゲル博士が言う世界的解決(グローバル・ソリューション)により、増配し続ける高配当国内グローバル企業(生活必需品・ヘルスケア・エネルギー企業など)は、人口動態の影響を果たして今後、どの程度受けるのでしょうか?国内グローバル企業でも連続増配を意識している企業も存在しますので、私としては米国株も一定割合保有しつつ、国内企業も買い増しスタンスで臨むつもりです。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。