配当父さんです。
年金制度の改正ラッシュが始まる
つい先日、日経新聞の「厚生年金パート適用拡大」という記事が目に留まりました。
要するに、パートさんにさらに厚生年金に加入させようということです。
現在の厚生年金の加入条件は?と言いますと、
501人以上の従業員がいる会社だと、
週20時間以上の労働、毎月の賃金が88,000円以上であれば、厚生年金は加入ということになります。
厚生労働省が検討している主な内容は
毎月の賃金88,000円以上⇒66,000円以上に引き下げるということらしい。
それによって加入者が200万人くらい増える見込みだとのこと。
労働者目線で考えると、メリット・デメリットの両方が考えられます。
メリット・・・厚生年金に加入することで将来の年金増、障害厚生年金などの保障も確保できる。
デメリット・・・給与から天引きされるため、給与手取り額がダウンする。
会社目線で考えると明らかにデメリットが大きいです。
メリット・・・なし
デメリット・・・社会保険料負担
違和感
新聞記事では、「人手不足を背景に雇用改善の動きが広がり、厚労省は議論を進めやすい環境だと判断」した・・・そうです。全くもって理解できません。違和感だらけです。
厚生年金加入が雇用改善の一手ということであれば、崩れかかっている年金制度の信用を再構築するという長期的方向性を示す必要があるはずです。
数十年前の年金制度設計時点では
①これほどの長寿化は想定外
②少子化によるこれほどの労働力人口減少は想定外
だったはずです。
厚生年金は強制加入(給与天引き)だから、やむを得ず加入している人は、年々増加している感があります。
年金負担増で会社業績圧迫
さらに、世代間の不公平感、若い世代の年金制度に対する不信感、年金受給者世代に対するマイナス感情は、高まってきています。小手先の改正を繰り返すだけでは、不信感を煽っているようなものです。 パート労働者の比率が高いのが、外食産業、スーパー、医療・福祉関係、教育関係です。
もし、厚生年金のパートへの適用拡大の改正が行われれば、上記の業種は社会保険料の増加が確実です。ただでさえ、最低賃金のアップで人件費が上昇傾向にあるところを、さらに追い打ちをかける形となります。
人件費は経費ですが、人財は資産だ、という考え方があります。しかし、会社の利益貢献してこそ人財(資産)です。人件費率が高い業種は今後しばらく利益が圧迫されていくのでしょう。
最後に
会社の対応としては、人口減少社会突入で売上拡大は難しくなってきているため、無人レジや、キャッシュレス化、さらなる機械化、AIの導入などで、経費を削減していくしかありません。会社も個人も、今後さらに自己防衛意識が高まりそうです。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。